1.導入
2025年10月17日、私の郵便受けにまた1通の通知が投函されていました。
そのタイトルは、『無給者に係る控除不能分の振込について(10月例月分)』――。
通知には、個人宛の請求金額「68,229円」と、振込期限「10月20日(月)」が記されており、実際私は、通知到着からわずか3日後に、手数料495円を自己負担し、合計68,229円を振り込まざるを得ませんでした。
この処理は、今年6月から毎月繰り返されているものです。
根拠の説明もなく、協議も調整もないまま一方的に送付される控除不能分の精算通知(実質的な請求)。
そして、
2025年6月20日付の人事課長名回答文書(控除不能額の納付方法に関する申出への回答)では**「納付期限内の納付が無い場合は自宅訪問を予定し、こちらからご家族に説明し納付に協力していただくことになります」**と明記されましたが、
それ以降、いかなる再回答・対応説明もないまま請求が継続されています。
これが、パワーハラスメントを訴え、心身不調を抱える一公務員に対して、実際に行われている「対応」の現実です。
2.通知の概要(10月分)
【補足:控除不能分の法的性質について】
この控除不能分の納付は、形式的には市が共済組合等へ立て替えた法定控除分の精算手続きにあたります。しかしながら、市は分割や猶予の申出を拒否し、振込手数料の自己負担を強制する一方で、納付がない場合の自宅訪問を示唆するなど、その運用実態は単なる形式的精算を超え、無給状態の職員に対して過度な精神的・経済的圧力を伴う「債務履行要求」として機能しています。これは、ハラスメント防止指針が求める二次被害の排除義務に著しく反するものです 。
- 通知タイトル:『無給者に係る控除不能分の振込について(10月例月分)』
- **封筒消印:**2025年10月10日
- **郵便受取日:**2025年10月17日
- **請求額:**68,229円
- **振込期限:**2025年10月20日(月)
- **振込手数料:**495円(自己負担、10月20日振込済)
※通知本文には、請求根拠の明示・振込手数料負担に関する協議や配慮の記録等は一切なし。
※2025年6月以降、同様の通知・手数料の負担が継続している。6月20日付の人事課長名回答文書には「納付期限内の納付が無い場合は自宅訪問を予定し、こちらからご家族に説明し納付に協力していただくことになります」との記載もあり、同月23日に心理的圧迫指摘の照会文以降の再回答・説明はなし。
3.所見
この対応は、以下の点で重大な問題を含んでいます。
- 給与が支給されない状態の職員に対し、十分な協議や説明なく控除不能額の支払を求める通知を継続的に送付
- 事前協議・配慮の要請を無視し、通知のみで執行
- 手数料を本人負担とし、その法的根拠も示さず
- 支払がなければ「自宅訪問」と明記し、精神的圧迫を継続
- 複数回にわたる文書照会・制度的改善要望にも誠実な回答なし
これは、制度不備の責任を全て個人に転嫁し、職員に過剰な経済的・心理的負担を強いる構造であり、パワハラ申出をした職員に対する「不利益取扱い」あるいは「二次被害」に該当する恐れがあると、私自身が強く認識している事実です。
4.所見の理由・説明・経緯・法令等根拠・事実・証拠
本件の根本的問題点は、次の通りです:
❖ 法的・制度的な曖昧性
- 地方公務員法、給与条例第3条における「現金支給の原則」の趣旨に照らせば、本来は職員の保護を意図した規定であり、手数料という付随的費用の負担を本人に一方的に転嫁する運用は、規定の趣旨に反する可能性があります。
- 納付方式についても、水道部では「納付書払い」が導入されているのに、本件では選択肢すら提示されていない。
- 自宅訪問の示唆は、厚労省のパワハラ防止指針で禁じられた「私的領域への不当な介入」に抵触する可能性。
❖ 経緯の継続性と無視された申出
- 2025年6月以降、計5回の通知(6~10月分)がすべて説明なし・協議無視・一方的かつ圧力的な運用が続いている。
- 各通知後、文書照会や配慮要請を重ねてきたが、いずれも形式的回答または無視。
- 特に2025年6月20日付で市人事課長より送付された回答文書に対し、私は同年6月23日付で正式に文書照会を行い、
「振込手数料の本人負担について、法的根拠(条例・通達等)を明示するよう要請」し、
あわせて「精神的・身体的状況に配慮した納付書方式への変更」を提案しました。
しかしながら、いずれの点についても、人事課からは**「個人が負担すべきものを公費で負担しなければならない法律はない」とする一方的見解のみ**が示されたまま(6月20日回答文書)、要請内容に対する具体的な回答や制度上の検討結果はそれ以降一切示されていません。
❖ 被害者保護義務違反の疑い
- 私は、2025年5月27日付で正式なハラスメント相談を人事課に提出済(様式第1号)。
- 以降、精神的不調による欠勤と医師診断のもと療養中であるにも関わらず、自宅訪問の示唆が撤回も説明もされないまま、強い支払要請などの心理的負荷が繰り返されている。
- 被害申出者に対する合理的配慮義務が果たされていない。
5.主な関連資料・証拠文書
※制度的主張・経緯に関係する文書を網羅的に、通知名・発信者・宛先・内容の視点で分類。
■【A. 控除不能分の請求・振込・手数料負担に関する資料】
| 日付 | 文書・通知名 | 発信者→宛先 | 内容概要 |
| 2025-06-19(dataID:95) | 『無給者に係る控除不能分の振込について(6月例月分)』通知 | 人事課→現役公務員 | 初回請求通知欠勤期間中の給与停止に伴い、共済掛金等「無給者に係る控除不能分」45,540円の自己負担支払を求める通知が到達(6月16日付発出、6月19日到達)。振込手数料も本人負担とされ、制度的背景や配慮措置の説明はなし。支払期限は到達から4日後の6月23日と短く、精神的圧力性が高い通知内容。 |
| 2025-06-19(dataID:10) | 納付方法に関する協議申出 | 現役公務員→人事課 | 分割・猶予・手数料免除を要請 |
| 2025-06-20(dataID:11) | 回答文書 | 人事課長→現役公務員 | 分割・猶予・方式変更などの申出に対し、いずれも再検討の余地を否定し、協議の余地を認めない対応 |
| 2025-06-23(dataID:12) | 制度照会文 | 現役公務員→人事課 | 納付書方式を正式提案、共済費算定根拠と手数料負担の法的裏付けを要求。「自宅訪問」記載に対し心理的圧迫の懸念を表明し、再発防止を要請 |
| 2025-06-23 (dataID:96) | 控除不能分の振込実施記録(6月分) | 現役公務員→指定口座 | 納付期限内に支払わなければ自宅訪問との記載により、心理的圧迫を感じつつ振込を実施。協議再開や再回答のないまま、対応を余儀なくされた。人事課からの通知に「支払わない場合は自宅訪問・家族への説明を行う」との記載(dataID:11回答文書)があり、心理的圧力を感じた中で、協議の再開や再回答がないまま振込を余儀なくされた。手数料495円も自己負担。事実上の協議打ち切り状態での対応となった。 |
| 2025-07-16(dataID:13) | 『無給者に係る控除不能分(7月例月分)』通知 | 人事課→現役公務員 | 手数料495円を再度自己負担。訪問示唆と制度説明・根拠説明の欠如が継続中。 |
| 2025-07-22(dataID:14) | 備忘メモ | 現役公務員→人事課 | 人事課からの再通知に対し回答は一切なく、精神的圧迫の中で振込実施(495円手数料自己負担)。金額は誤って4円超過。抗議は行わず沈黙を選択。 |
| 2025-08-13(dataID:23) | 『無給者に係る控除不能分(8月例月分)』通知 | 人事課→現役公務員 | 手数料495円を再度自己負担。訪問示唆と制度説明・根拠説明の欠如が継続中。 |
| 2025-09-16(dataID:46) | 『無給者に係る控除不能分(9月例月分)』通知 | 人事課→現役公務員 | 手数料495円を再度自己負担。訪問示唆と制度説明・根拠説明の欠如が継続中。 |
| 2025-10-17(dataID:63) | 『無給者に係る控除不能分(10月例月分)』通知 | 人事課→現役公務員 | 手数料495円を再度自己負担。訪問示唆と制度説明・根拠説明の欠如が継続中。 |
■【B. 二次被害・制度不備・パワハラに関する証拠文書】
| 日付 | 文書・通知名 | 発信者→宛先 | 内容概要 |
| 2025-07-18(dataID:15) | 診断書提出・事情説明要請。 | 人事課長→現役公務員 | スポーツ大会出場等を根拠に欠勤理由の整合性を疑義視する。診断書の提出または弁明書提出を求め、「提出がなければ服務規程違反に該当する可能性」と明記。 |
| 2025-08-01(dataID:16) | 診断書提出要請への回答文書 | 現役公務員→人事課長 | 7月18日付通知に対し、診断書の有無のみで欠勤の正当性を判断するのは不当と指摘。服務違反の示唆は不利益取扱いにあたる懸念を表明。欠勤の正当性はハラスメント起因の実態を含めて総合的に判断すべきと主張。 |
| 2025-08-28(dataID:25) | 所見・改善要望書 | 現役公務員→人事課 | 8月19日付通知に対し、被害者に過度な証拠負担を課し、調査責任を放棄する姿勢を批判。二次被害(手数料強要・訪問示唆・制度説明欠如)への謝罪・是正が一切ないと指摘。公益通報・情報公開・文書管理制度の形骸化にも言及し、制度趣旨に基づく対応と信頼回復を要望。 |
| 2025-08-29(dataID:27) | 調査体制再構築・申立人追加通知 | 現役公務員→人事課(通知責任者) | 人事課長・水道課長をハラスメント申立対象として正式に追加。人事課が調査主体であることは利益相反にあたると指摘し、独立した調査体制への再構築を要請。あわせて、公益通報・情報公開・文書管理制度の見直しを含め、制度横断的な是正と再発防止を求めた。 |
| 2025-09-12(dataID:44) | 回答文書(体制見直し対応) | 総務部長→現役公務員 | 人事課長へのハラスメント申立を受け、利益相反の懸念に一定の配慮を示し、人事課長を調査から除外すると明記。ただし、調査主体は引き続き人事課が担う体制とされ、主導体制に関する根本的な是正は見送られた。3件の申立の一括審議や相談員の再指名は了承され、調査委員への文書提出が求められた。 |
| 2025-09-21(dataID:48) | 再要請メール(制度見直しと体制整備) | 現役公務員→総務部長(情報共有:人事課長・担当) | 公益通報・情報公開・文書管理等の制度不備がパワハラ案件と不可分であるとし、包括的見直しと体制信頼性確保を要請。二次被害(無断訪問・費用請求等)排除の明示、独立部署への引継ぎ可能性、制度趣旨に基づく対応の必要性を強調。 |
| 2025-09-21(dataID:94) | 所属長向け報告メール | 現役公務員→社会福祉課長 | 調査主体が申立対象である現体制の利益相反・制度不備を指摘し、独立体制構築・是正方針の提示を再要請した旨を報告。併せて、労組に対し即時対応と声明検討を要請、市民的関心を踏まえたSNS発信予定も共有。庁内の理解と議論への参加を要請。 |
| 2025-09-21(dataID:93) | 緊急要請メール(市新方針への懸念) | 現役公務員→委員長(糸満市職員労働組合)※副委員長・書記に情報共有 | 市の新方針(人事課形式交代)により、申立対象である人事課が調査実務を継続する構造的利益相反を指摘。公益通報制度の機能不全・二次被害看過を批判し、組合としての即時是正・抗議文提出・声明発出を要請。現行体制では被害者不在の形骸的委員会となる危険を警告。組合の存在意義をかけた対応を求めた。 |
| 2025-10-06(dataID:62) | 回答文書(制度是正要請への応答dataID:48の応答) | 総務部長→現役公務員 | 公益通報・情報公開・文書管理の包括的見直し要請に対し、所管分散・権限不在を理由に責任回避。人事課主導体制の継続も再確認し、独立調査の否定を明記。無断訪問・費用請求等の二次被害についても制度的正当性を主張し、排除方針の提示なく継続性を容認する内容。 |
6.根拠法令・通達等
- 地方公務員法第24条~第26条(給与支給義務・公務員の保障)
- 給与条例第3条(現金支給の原則)
- 労働安全衛生法(精神的配慮義務)
- 厚労省「職場のパワーハラスメント防止指針」
- 公益通報者保護法(不利益取扱い禁止)
7.その他(公開目的・お願い)
本件の公開は、以下の目的で行っています:
- 同様の立場にある公務員への情報共有と支援
- 糸満市による制度運用の適法性と透明性の検証
- 市民の「知る権利」に基づく公益的問題提起
- ハラスメントの再発防止および制度整備の促進
なお、これらの発信内容はすべて、法的根拠および文書記録に基づいており、名誉毀損・虚偽記載には一切該当しません。
8.制度論的な整理と論点の再確認
本件で浮かび上がった制度的課題を整理すると、以下の通りです:
- ✅ 給与支給に関する法的保護の不在
- 地方公務員法25条等・給与条例第3条の趣旨を踏まえても、控除不能額の請求処理に関する法的整備は不十分。
- 現金支給の原則に基づく公的費用の個人転嫁の回避義務について、現行制度では明示されていない。
- 地方公務員法25条等・給与条例第3条の趣旨を踏まえても、控除不能額の請求処理に関する法的整備は不十分。
- ✅ 事務の便宜による職員負担の制度化
- 本件のように、「制度上立替え処理の必要がある」といった内部的都合により、当該職員に不利益が転嫁される構造が温存されている。
- 本件のように、「制度上立替え処理の必要がある」といった内部的都合により、当該職員に不利益が転嫁される構造が温存されている。
- ✅ 精神的不調者への対応基準の不在
- パワハラ相談者への通知方式、支払圧力(自宅訪問等)、調査体制の問題など、被害者配慮を制度的に担保する規程がない。
- パワハラ相談者への通知方式、支払圧力(自宅訪問等)、調査体制の問題など、被害者配慮を制度的に担保する規程がない。
これらは、**「制度不備を背景とした、職員個人へのリスク集中」**という深刻な構造的問題を示しています。
9.市民との協働に向けて
この問題は、単なる一公務員の労務問題ではなく、次のような公益的意義を持ちます:
- 市役所職員が安心して働ける制度の保障
- 公務員が内部不正やハラスメントに適切に声を上げられる環境整備
- 税金による行政処理の適正性と説明責任の確保
市民と共有すべき論点は、以下の通りです:
- 市の「制度による強制」は、市民の納税で支えられていることを自覚しているか
- 内部通報・ハラスメント申出制度は、形骸化していないか
- 職員の命や生活に関わる判断が、ルールに則って公正に行われているか
10.公開の継続と今後の方針
今後も、次の目的で発信を継続します:
- ✅ 本件における制度運用・法的解釈の透明化
- ✅ 同様の事例の予防・再発防止に資する知見の蓄積
- ✅ 内部からの制度改革に向けた自治体職員との連携
- ✅ 市民・メディア・議会との連携による監視強化
今後の記事では、
- 📌 個別文書への逐条的所見
- 📌 関係法令・通達の体系的整理
- 📌 自治体間比較と改善モデルの提示
などを通じて、より実践的な制度改善提案を行っていく予定です。
11.関連リンク
📎 X投稿(2025年10月17日付):「懸念が現実に…」ポスト